更新日: 2013年4月18日
子供の頃、母が大嫌いだった。
嫌なことがあると酒に逃げてばかりで、それは私が結婚してからも孫が出来てからも変わらなかった。
7年半前、酒に酔って電話してきた母に汚ない言葉を浴びせて怒って電話を切った。
その3日後アパートで倒れてる母を見つけた。何とか助かったものの、認知症と言語障害になり私の知る母はいなくなった。
もともと心臓が悪く、倒れてから腎臓も悪いことが分かり長生きは出来ないだろうと思ってた。
施設にいる母に会いに行くといつも片手をあげ私たちを迎えてくれた。
このまま穏やかに過ぎていってくれれば良かったのに、今年に入り体調不良が続いた母。
いくつかの検査をして末期癌であることが分かった。癌ができた場所も悪くもう手術は無理、今の母の体力では出来る治療もない。
あと1ヶ月なのか3ヵ月なのか、いつ急変してもおかしくない状況だから覚悟しとくよう言われた。
酒を飲んだ母が大嫌いでこんな親ならいらないし死ねばいいと何度も思った。
なのに、今こうなってみるとまだ生きててほしい。
酒に逃げるお母さんを責めてばかりで理解しようとしなかった馬鹿な娘でごめん。
娘らしいこと何もしてやれずごめん。
死ねばいいなんて思ってごめん。
お母さん、私もう少しだけお母さんの娘でいたいよ。
お母さん、まだ死んだら嫌だよ。