更新日: 2012年11月13日
私は10代後半からもう何年も自力で生理をおこせないでいる。
ずっとピルで生理をおこしていたが、最近結婚して病院に通って不妊治療を始めた。
毎月、薬を飲んだり、2日に1回排卵を起こす注射を打ったりしていた。
病院の待ち時間に見えるのは、幸せそうにお腹をさする妊娠さん。
私の現実といえば『また生理がきた』。
不妊治療を続けて1年たった生理予定日。
また生理がきた。
旦那に泣きながら『もう嫌だ、疲れた』と感情をぶつけてしまった。
でも、治療しないと生理さえもこない。
また次の月も幸せそうな妊娠さんをみながら治療に通った。
次の生理予定日。生理が来ない。高温期が続く。
検査薬で調べたら陽性。
嬉しくてたまらなかった。
毎晩旦那と明るい未来について語り合っていた。
しかし病院に行くと平均より小さいと言われてしまった。
一週間後に行ってもまだ小さい。
次の週に行ってもまだ小さい。
『もう、おっきくなれません。手術して取り出します。』
悲しかった。
ようやく授かったのにもうさよならしなくてはいけない。
つらくてつらくて1人になるといつも泣きじゃくっていた。
手術を終えてから放心状態になっていた時に先生がこのように言ってくれた。
『あなたは確かに妊娠していました。不妊症ではないんですよ。赤ちゃんはその事を伝えに来てくれたのかもね。ママ、頑張って!もう少しで会えるからね』って
お腹の中にはもういないが確かに私のお腹の中に宿ってくれて、私を想ってくれていたんだ。
大泣きした。
命の大切さを教えてくれてありがとう。
母になる喜びを教えてくれてありがとう。
そしてその1ヶ月後、四年間自力でおこせないでいた生理が自然に来た。
そっか。あなたは短い命と知りながら私に沢山の事を与えに来てくれたんだね。
あなたの母親に一瞬でもなれてよかった。
私の大切な自慢の子供。
ありがとう、本当に本当に愛してるよ。