更新日: 2013年8月1日
三才の小さなあなたへ。
まだたった三才のお姉ちゃん。
楽しみにしていたママのお腹の中の赤ちゃんが妹たちだと分かった時、タンスから一番のお気に入りの服を出してきて、妹たちにプレゼントするんだ!と嬉しそうに笑ってたね。
その後も毎日毎日妹たちのお顔を描いていたね。
ママと赤ちゃんの具合が悪くなり、突然入院になってしまった二ヶ月間は、一週間に一度だけ、たった30分だけの面会の後、お別れが辛くても絶対にママの前では泣かなかったね。でも、長い病院の廊下を一度も振り返らないで帰って行く後ろ姿…何度も涙を拭っていたのをママは分かっていたよ。
ずっとずっとあなたを抱きしめていたかった。
それなのに、
赤ちゃんたちが生まれてママは変わってしまったね。
双子の妹たちを育てるのに必死で、あなたの声を聞いてあげられなかった。そしてあなたが私に近づきたかったことに気付いてあげられなかった。
そのうち物を壊したり、叫んだり、自分や家族を叩いたりしだして、そんなあなたを受け入れることができなくなってしまったの。
毎日ママはあなたを叩いて、泣いて、酷いことを言って、
そしてあの日、
一緒に死のうと言った。
私はあなたの小さな心を深く傷つけてしまった。
この前、あなたが夢でとてもうなされて泣き叫び、暴れたね。それはもう、ママの力では押さえつけられないくらいの力だった。
何故だろう…
今まであなたがうなされていても抱きしめることはなかったのに、その日は違った。
ギュッとギュッと抱きしめて、ママの腕は引っ掻き傷で血だらけになったけど、二度と放すもんかとあなたを抱きしめた。
落ち着いたあなたがまた眠りについても、ずっと抱きしめていた。
いつの間にこんなに背が伸びたのだろう。いつの間に赤ちゃんみたいな柔らかさが無くなったのだろう。
それに気づいた瞬間、心の奥深くから何かがこみ上げてきて、声をころして泣いたよ。
ごめんね
ごめんね
ごめんね
ごめんね
もう、あなたのこの小さな手を放さないよ。
もう、あなたのこの小さな手を放さないよ。
泣いていたら、寝ていたはずのあなたが言ったんだ。
「ママありがとう」
って。
ママ、あなたが大好きだよ。もうどんなことがあってもあなたをずっと抱きしめているよ。
ありがとう。