更新日: 2013年7月8日
結婚して十年が過ぎました。
初めて長女がいると分かったとき、ママは本当に嬉しかったよ。
大好きなパパの子供。おろすなんて選択肢は全くなくて、でも結婚願望の無いパパと結婚するなんて未来も思い描いてなくて…当然シングルで産もうと思って産科に行きました。
『結婚のご予定は?』「え?!特にありませんけど…」と、私。『貴方ねぇ…21歳の子が子供を1人で育てるってそんなに簡単な事じゃないわよ…』と助産師。
じゃあ、中絶するのが正しいの?!
あの時の悔しさは今でも覚えてる。
だけどお腹に貴方の命があるって事だけが支えだった。
周りはみんな大反対。両親も、パパも。おろしてほしいと懇願された。うちの父とパパとデニーズで説得にもあたられたっけ…
なんでみんなそんなにこの子を産む事を反対するの?!悔しかった。いっぱい泣いた。そして私も疲れた。母親と別の産婦人科に行った。中絶をしようと思って…
そこで見たエコー写真。
貴方が三頭心になっていた。
やっぱりおろせない。
私の気持ちが決まった。
やっぱり私はこの子を産む。
もう気持ちは揺れなかった。
大好きな人の子を自分で育てようって。
パパに話した。
三頭心の写真も見せた。
パパが言った。
『死んだ爺ちゃんが、最後にくれたチャンスかもしれない。結婚するか?』と。
嬉しかった。
信じられなかった。
両親の不仲を見てきたパパにとって結婚は明るい未来ではなかったはず。
だけどパパは決めた。
私は信じた。
うちの父は認めなかった。
もちろん式もしていない。親同士も顔合わせもしなかった。
だけど、自分達だけで頑張った。
パパは解体の仕事を毎日頑張った。
私は主婦だった。
貴方が産まれた。
翌年には弟が、その翌年には双子を授かった。
あっという間に子供は四人。
パパは介護の資格をとった。
その姿を見る前にパパのお母さんは他界した。双子の誕生も見ていない。それから今では子供が六人。そしてもうすぐ七人目が産まれる。
こんな未来自分でも想像してなかった。
貴方に私はいう。
貴方が私のお腹に来てくれたからパパとママは結婚して兄弟もいっぱいできて今があるんだよ。◯◯はママとパパのキューッピットなんだよ。
この前の食事の時、パパがすべて話した。初めは貴方をおろすようにママに説得していた事。パパが居ない事で苦労をかけたくなかったと。でもママはおろさないってずっと言ってたと。
貴方は真剣な顔で聞いていたね。
パパもママもどちらも貴方を守ろうと思って出していた見解だと貴方には伝わったんだろうなぁ。
もう四年生になる貴方。
今では大家族の立派な長女。
私にとっては天使のような子。
いつもいつも私も支えてくれて時には子供、時には1番の理解者になって下の子の面倒をみたり…。
そんな貴方が夢があると東京に行ったね。
1人で特急に乗って。
そして、本当に合格したね。
びっくりだったよ。
いつも家族のために1番動いてくれる貴方の夢をママは応援するよ!
私達家族は貴方なしでは成り立っていないのだから。
神様、私にこの子を授けてくれて本当にありがとうございます。
『私はママとパパの宝物なんでしょ?』とよく言う貴方。
そう、本当に宝物。
子は宝。
昔の人の言う言葉は本当に重いね。
正しいね。
もう、最後になるこのお産。
ママも不安もあるけれど私達のところにきてくれた七つ目の宝物を大切に迎えたい。
今の今世に悔いを残さぬように。
繋いでくれた貴方に感謝です。
私のずっと憧れていた大家族。
何があっても守り抜く。
今世の自分を誇りに思う。
みんな、ありがとう。
子育ては究極の自分育てだと私は思います。
子供の数だけ成長させてくれる。
そんな気がします。
私にとって育児は育自。子供から学ぶ事が本当に沢山。
本当にありがとう。
そしてこれからもよろしくね。