更新日: 2012年11月3日
我が家は厳格な仕事一筋の父と、専業主婦の母と、県外に進学した兄と私の四人家族でした。
しかし、8年前、私が大学生のときに母親が統合失調症になり、自殺しました。
その時、亡くなった母の隣りで我を忘れて泣く父の姿を見ました。一度だって泣いたことのない厳格な父の泣く姿を。
その後私と兄は県外に戻り、父は母の居ない自宅で暮らしました。そんな父が去年再婚をし、素敵な奥さんを貰って新しい家庭を築きました。
奥さんは私と恋愛話もできるくらい関係は良好です。このあいだ、奥さんといつもの様に恋愛相談の電話をしているときに。
『◎◎ちゃん。お父さん言ってたよ。お母さんが亡くなったとき、めちゃくちゃ寂しかったんだって。もう後を追いそうなくらい。
だけど、◎◎ちゃんを一人前にしないとあかんって言う気持ちがあったから今まで頑張れたんだって。
◎◎ちゃんが、わしの人生の支えやったんやって。』
と、言われました。
最初に聞いたときは、恥ずかしくて笑って茶化しました。
しかし電話を切ってから、その言葉の意味を噛み締めて、涙が溢れました。
父の私への深い愛情、厳格だった父の母への愛情に気付いたのです。
父の泣く背中を見たときに、もう二度と、悲しい涙を流させないと決めました。しかし、この言葉を聞いて、これから先は嬉しい涙を流して貰える様な人生を歩いて行こうと思いました。
必ず、父のため。家族のため。自分のために、幸せになります。